早くアルコール濃度を下げるのにどうしたらよいか。血中のアルコールはもちろん腎臓によっても代謝されますが、実はその割合は小さく、呼気によって出ていく量のほうが大きいことが1世紀前から知られていたそうです。つまり呼吸を激しくすれば血中のアルコールは減るということ。だけど、これはすぐに過呼吸になるので、あんまり現実的じゃありません。呼気検査を受けるとき直前にやれば多少は下がるのかもしれませんが、まったくお勧めしません。
というのはともかくとして、これには、炭酸ガスを含む空気を吸えばいいのかもしれないという論文がトロント大の麻酔科からScientif Reportに発表されました。
この実験では5人の被験者に1Kgあたり0.5gのアルコールを5分間のませ(つまり少量の飲酒ではあります)、5.5%炭酸ガスを含む空気を吸わせました。これを等炭酸ガス過呼吸というそうです。Fig1にその結果がありますが、大体90分くらいすると、血中のアルコール濃度は1/3くらいにさがりました。なおこれにはリバンドがあり、この空気を吸わなくすると、また濃度が上がったそうですが。
ということは、細胞培養に使う炭酸ガスインキュベータに頭を突っ込んで2時間くらいいればいいのかな。そんな漫画みたいなことしなくても、5%炭酸ガス/空気というボンベがラボにありました。これを吸えばいい?
だけど、呼吸には酸素濃度は厳しく20%である必要があり、10%になると意識を失い8%で死ぬので(6%では一息で死亡)、一般家庭で試してみるのは危険です。こんなことに命はかけないようにしましょう。だけどがんばって気を失わないように袋を口に当てて過呼吸を続けると多少は早く抜けるのかもしれません。酸欠にならないように要注意ですが。
となると、あんまり役に立たない知識でしたが、水飲んでもだめなのね、ということはわかりました。