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2020年9月22日火曜日

保済丸・・PayPalでrefund

 長らく海外から物品を公私を問わず購入してきました。トラブルらしいトラブルといえば、英国のAbbexa Ltdという抗体メーカーからウサギ抗体を買おうとしたときに税関で動物由来のものだろうと輸入許可が下りず廃棄になったことぐらい。Abbexaの対応には腹立ちましたが、まあこれは抗体購入、特にウサギよりも大きな動物で作られた抗体につきもののトラブルではあります。これ以外、たとえば最近増えてきた中国からの購入では、大抵はAliexpressかAlibaba.comを経由して買うので、まず問題は起こりません。

そんなので油断してたのか、びっくりするような変なところにぶつかりました。買おうとしてたのは、保済丸 / ポーチャイピルPo Chai Pills という、香港で有名な生薬の胃薬。 Wikiにも英語版があります。食べ過ぎが続いて胃が疲れてきたりしたときに、この仁丹のような粒のつまった小さな一瓶を飲むと、そのときは爽快感などはないのですが、不思議と気がついたら回復させてくれます。大正漢方胃腸薬よりもずっと確実。

これはずっと昔、モントリオールでポスドクしていた頃に私の後任に来てくれた中国人が教えてくれたものです。彼はお母さんが病気がちだったそうで、少年時代には山を歩いて薬草を探したとかで、生薬のことにとても詳しい。以来、この薬は学会で海外に行くたびくらいに買ってましたが、このところ全然海外に行ってないので、さすがに在庫が尽きてきました。

北米のChina townで買うと10瓶入った一箱が3ドルくらいで買えますが、楽天やアマゾンだと1000円くらい。ばからしいなあとあちこち見てると、それより4割くらい安いところがありました。こちら。http://pochaipills.50webs.com/

本場香港のショップ。ここの正式な名称はFengshui Shop 、つまり風水店という、いかにもな名前のとこらしいけど、サイトにはたぶんどこにもでてません。何の疑いも持たずに購入手続きに入ってみようとクリックしたところ、購入確認もなしに、いきなりPaypalからの支払い完了通知が出ました。まあ、買うつもりだったので良いかとそのままにしてたところ、すぐにメールが来て、日本語も英語もありましたが、日本語はこんな風。

「こんにちは!  ありがとうございます!私達はすでにあなたの注文書を受け取りました!

 私達は発送致します、関連商品を:」

とあって、よかったと思ったら、

「加えて、2020年7月28日以降、ウェブサイトの限定的なサービスが提供されることをお知らせいたします。  ただし、注文はまだ倉庫に残っています。 この問題に取り組むための2つのオプションがあります。

1. 航空便が再開された場合は、2020年11月30日に航空便で郵送してください。 

2. Paypalからのリクエストに応じて全額払い戻しを行います。 ご不便をおかけして申し訳ありません。 健康で良い一日を。」

とあって、どうも、何らかの理由で今は発送できないらしい、香港だから、政治的なトラブルかなあと同情して、まあ、だけどキャンセルするしかないかと思い、refundを選択します、と英語で連絡したところ、

「Thank you for your support and consideration.

Full refund will be issued upon your request through PayPal.

Stay safe and have a good day.」

ときました。おかしいなあと思いつつも、PayPalに行ったところ、これがとってもわかりにくく、メッセージセンターのchatに日本語で書いたものの返事が来ない。ここはchatではなくメール代わりのものらしい。そういえば、以前もPayPalは英語でないと対応しなかったことを思い出して、英語で書いたら今度は翌朝に返事が来ていて、refundするなんてsellerがクリックするだけなんだけど、というやる気のない返事。

なんだか、面倒なことになりそうだと、金額が少ないから大したことではないもののとは思いつつもいやな感じがして、このshopにその旨をメールすると、今度は

「Thank you so much for your email.

Yes, please kindly file a dispute. We will then issue a full refund upon request.

Thanks again for your support and cooperation. Enjoy your day.」

とすぐに返事が来ました。PayPalからの意義申したてがこないとrefundしない、つまり自分からはrefundしないということ。

こりゃだめだとメッセージセンターで再度報告して聞いたところ、今度は問題解決センターから「クレームにエスカレート」するようにという連絡が来てました。ではとPayPalの問題解決センターに入って大分あちこち行きつ戻りつして、ようやく見つけたページで、これまでのメールのやりとりを添付して、これまでのやりとりを説明して、ここは妙だ、ということをPayPalに伝えたつもりでした。

ところが、このときどこをどう見落としたのか、shopの方への連絡を選択していたようで、このクレームがそのままshopに送られてしまいました。ま、そのまま書いただけなのでたいしたことないけど、これではらちあかんと、メッセージセンターに書いたものの、返信なし。

どうもここはだめらしいと、ちょうどここで月曜になったので、電話が使えるはずと思い出して、電話したところ、割とすぐにつながり、担当のChineseの人に説明しました。この件、どうもすでに手続きがされていたようで、これは異議対象になっていて、shopはrefundには応じたのだけど、送られてきた金額が少なくて、PayPalとしてはfull refundを要求しているところで、進展については連絡し、full refundするからあとは何もしなくていい、とのこと。ほっとしました。

その後2時間くらいで、shopが責任を認めてfull refundに応じた、というPayPalの通知が来て、無事解決しました。PayPalとのやりとりは電話してからはとってもスムーズでした。ただ電話以外は全部英語で、日本語は、少なくともかなり時間がかかりそう。これでは英語が苦手な人はPayPalはやめたほうがよいかもしれません。

この香港のショップ、サイトをよく見ると、怪しさ満載なのです。そもそもメールのアドレスがgmail。ショップの名前もわからない。PayPal払いを前面に出していて、だから大丈夫といってるけど、そもそもそこが怪しい。このサイトを今見ると、確かに、11月30日まで発送できないと書いてあります。これは私が見たときにあったのかどうか。あればさすがに気がつくだろうとは思ったものの、いずれにしても購入の時点で警告するべきこと。

このサイト、素人の作りで、おそらくネットで保済丸を検索した人を引っかけるためのものでしょう。日本人だと、PayPalに紛争を依頼するようにと言われてもメッセージセンターでは日本語ではまずレスポンスがこないし、disputeしろといわれても泣き寝入りする人が多いでしょう。それを狙ってるのかな。さっさと電話すればいいのだけど、Paypalのサイトをまじめに見てるとその選択がなかなか出てきません。それにいかにもつながりにくそうだし。

サイトをよく見るべきでした。PayPalのおかげで解決できましたが、Paypalは審査はしてないのかな。ここは海外に行って保済丸を知ってネットで買おうと思った日本人が引っかかってそう。それとも私だけ?


2020年7月24日金曜日

座椅子をめぐる攻防 +追記

ふと見たら、狭い座椅子にネコ二匹。


ここは本来、茶ネコの定位置。少し前に、白っぽいネコが落ち着いてましたが、どうやら、味をしめて私の場所よ、という主張をはじめた模様。


いつもように茶トラが座椅子でくつろいでいると、強引に押し出そうとする妹ネコ。困ったような顔した茶トラですが、できたネコなのでなかなか怒りません。


このあと茶トラはだまって平和裏に出ていきましたが、さすがに限界もあり、戦闘状態になることもあります。これを人が寝てるときにやるから、寝てる方はたまりません。怒った女房がとった処置。


座椅子が横倒しに。たしかにこれで争いはやみましたが、これでいいのか。。。

あきらめてもう一つのぴったりサイズのベッドに収まる茶トラ。


最初からこれに寝てろと。



後日談
ふと気がついたら茶トラが横になった座椅子を見ています。ピンぼけですが。

まだ見てます。

なぜだろうと。

なにもいわずに、少し離れてもじっと見てます。


悲しい顔であきらめて。

飼い主はこの無言の訴えを撮影して施設管理責任者に見せて交渉したところ、後日、無事に座椅子があるべき姿で置かれるようになり、茶トラの正しい寝場所が回復されました。今のところ、白っぽいネコの攻撃は受けてません。

2020年5月18日月曜日

スウェーデンの教会音楽家の話

COVID19がいろんな人生に影響を与えています。スウェーデンの教会の演奏家としての職を得て去年の暮れにご夫婦で移住したばかりの女性ピアニストの話がネットニュースに紹介されてたので、そのブログを拝見しました。今は削除されてしまいましたが。アクセスが殺到したのでしょう。炎上するような内容ではなく、申し訳ない。この方はもともと関西でジャズを弾いておられて、スウェーデンには音楽勉強に留学して、教会音楽家の募集に応募されたそうです。

異国で認められて職を得るのは、それ自体相当なことです。自国人に比べて外国人はなにかにつけて不利で、特に言葉の問題が一番大きい。そのハンディを上回るほどの素晴らしい音楽が素直に評価されたのでしょう。 教会のように長い伝統のあるところに、その壁を破られたのだから、かなり高い評価だったと思います。

彼女は関西ではプロのジャズピアニストでしたが、スウェーデンに留学されて、ピアノだけでなく、ハープシコードやパイプオルガンも演奏する機会を得たそうです。楽しかったでしょうね。ブログを見ると留学時は寮のようなところで、共同キッチン、共同洗濯室で大変だったようです。でも、自分の音楽の世界を広めてくれるので、生活の不便さはなんとか我慢できたのでしょう。

教会で演奏するパイプオルガンにはことに魅了されたのではないかと思います。 私も弾いてみたい。スウェーデンのキリスト教は多くはプロテスタントの福音ルーテル派で、音楽を重視します。バッハもこの宗派でした。信仰の大事な要素です。

職が決まり、昨年の暮れに夫婦で移住して、素敵なクリスマスを過ごし、さあ、これからというときに、新型コロナが来ました。教会での行事は普通に濃厚接触です。

すべての宗教では、信仰のためのいろんなしきたりがあります。しばしば、いろんなところでこれが問題を起こすことがあります。宗教者にとって、特に生まれたときから教会に通ってきた信者にとっては、これは3度の食事と同じくらい大事な意味あること。だけど、それが感染を広げるなら改めてもらわないと、命に関わります。

スウェーデンでは感染対策としてはごく緩い政策(50人以上の集りだけ禁止、お店はオープン)しか採っておらず、経済活動を最優先するためにいわゆる集団免疫を獲得することを国として進めていて、大勢の死者が出ています。教会での活動にもまったく規制がなく、日本のように3密を避けるようにという取り組みは行われていません。スウェーデンはそんな国だったの、と思います。このため、教会活動には何の制限も加えられていません。また、彼女の上司も、狭い場所でのミサや、その後のお茶会で手渡しでパンを食べるなどのしきたりについて配慮を求めても、困難なときこそミサを続けるべきと、まったく意に介さなかったそうです。

このため、困り果てた彼女は旦那さんとともにfacebookに提案書を書きました。リスクを指摘して、ミサをオンラインでやれないでしょうか、という内容でした。それをみた上司から、移民がそんなことを言う権利はない、と言われ、ひどくショックを受けた彼女は直ちに荷物をまとめて帰国しました。いつもは優しく理解ある人だったのでしょうが、おそらく自分の存在そのものを批判されたように感じて、パニックになったのでしょう。

こういう意見は、アフリカからの難民が押し寄せるようになったヨーロッパでよく聞かれるようになりました。あれだけ美しい文化を築いてきたのに、と外野としてはがっかりしたものです。とはいえ、それですまされない情況も理解できます。ともかく、音楽家として教会に職を得るほどの女性にそんな言葉があびせられるとは、やはりそこまで追い詰められてるのです。

彼女のチャレンジは素晴らしく、どうもクリスチャンでもなさそうなのに音楽家として受け入れた教会もスウェーデンという社会の懐の深さを感じさせます。ただ、そういうきれい事ではすまない部分は、海外に長くいたり、研究者としてしのぎを削ってると、必ず直面します。こういうことは起きるものです。粘り強く、何度もぶつかっていくしかないのでしょう。だけど、どういっても、これはとても悲しい話。

2020年1月25日土曜日

モントリオールからボストンに 続き

その前に飼っていたネコは、アパートでのネコの飼い方がよくわからないまま、早くに急に死んでしまいました。女房からラボに電話があり、すべて放り投げて飛んで帰ってきました。次の日もアパートの中でうちひしがれて、後悔を引きずってました。一緒にやってたテクニシャンの人にだけ伝えたので、ボスに話してくれたのでしょう。無断欠勤もいいところですが、ボスは文句も言いませんでした。

そんな我々を気の毒がったのか、ラボの人間が家に招待してくれました。そこには日本であまり見たことのない立派なネコがいて、  norwegian forest catのことを教えてもらいました。モントリオールでは割と良く見ました。もちろんノルウェーの森ネコとはいってもおそらくすべて室内飼育で、さすがにあそこで冬を越せるとは思えません。

彼らの勧めもあって、SPCAに行きました。すると、ちょうど兄弟(姉妹?)のnorweigianがいて、その片割れをもらいました。すまないと心の中で謝りつつ、その分余計に可愛がったかもしれません。しばらくするとボストンに移ることが決まり、車で5時間ほど、友達のヴァンに引っ越し荷物を満載して、我らとネコはボストンに向かいました。

引っ越しの際には、大部分の荷物は郵送して送り、残ったものは我々だけで車に詰め込む予定でした。引っ越し業者などには頼みません。それがその頃は普通でした。その頃は、日本でも友達や同僚を総動員することは普通でしたし。

荷物は女房が詰めてくれてたので私は当日車に運び込むだけでした。でも、持参する荷物もそれなりにあります。部屋からエレベータに積むとき、エレベータを占有してしまい、管理人さんにダメだよと叱られて、困ってました。そのとき、ちょうどラボで一緒にやってたテクニシャンの人が様子を見に来てくれて助けてくれました。彼女にはほんとにお世話になりました。車に乗り込んで、アパートを離れ、最後に見たモントリオールの河の景色は忘れません。

ながく住みました。初めての異国、とくにモントリオールは随分文化が違います。若いときだからできたこと。よく切り抜けたものです。日本人が多いボストンだったら、もっと楽だったかもしれない。でも、その分、とてもおもしろかった。

モントリオールからボストンに車でお引っ越ししたとき

続きです。ボストンで住むことにしたアパートは、ダウンタウンの真ん中にある有名な高層マンション。だけど、部屋は文字通りの最下層。とはいえ、今ならとてもポスドク上がりが住めるようなところではありません。よく決心したものです。

そこでは犬猫は禁止されていました。実はモントリオールのアパートでも禁止されてたのですが、犬猫の飼育をアパートで禁じることは違法であるという裁判所の判決が出ていて、そのアパートでも堂々と犬猫を連れて守衛さんと挨拶して入ってます。この辺がモントリオールとボストンの大きな違い。ボストンではありえません。 

実は、最後にお世話になったモントリオールのネコ好きの友達に、ネコを頼んでいくことにしてました。だけど、そのネコを置いていけるわけもないことは、ボストンのアパートを決めたあとでレストランに行ったとき、ふっと気が緩んだときに思い知らされました。心の中を覗いたとき、というわけです。あきらめてアパートでこっそりネコと暮らすことを決めたとき、ほっとしたものです。

モントリオールからボストンに車で向かう中、不思議なくらい、周りの記憶がありません。車を運転したことがなかったし、ネコや荷物が気になっていたからでしょう。覚えているのは、昼食でハイウェイをおりてドライブインにはいって、大きなサンドイッチを食べたことくらい。アメリカだなあと感じました。それがなんだったか。音楽だったのか、人の雰囲気だったのか。陸続きで、車で数時間走っただけですが、だけど随分、空気が違う。

グーグルマップを見てみると、たぶん10号線から55号線に入って国境を越えて、91号線を下ってバーモント州を縦断して93号線に入ってニューハンプシャーを横切って、マサチューセッツに入ったのだろうと思います。こんなところを移動したんだと、感無量。今なら、大量の写真が残っていて、ここを賑わせたでしょう。だけど、1枚も撮ってません。

2020年1月21日火曜日

待ち続けるネコ

普段、ドライばかりのせいもあるのでしょうが、このロイヤルカナンの腎臓食パウチは、相当うまいようで、出した途端、クロネコが飛びつき、しばらくポジションは譲りません。おとなしく待ち続ける茶トラ。


まだなの?と催促しますが、頭すら上げないクロ。


もう待ちきれなくなって、強制終了させて自分のものに。


さすがにあきらめるクロネコ。



腎臓病用の食事がこれだけおいしくなったのは、ほんとにありがたい。昔は、とってもまずかったようで、前に飼っていたネコが最後に腎臓病になって何も食べなくなったとき、とても辛い目にあわせてしまいました。だけど本当にまずかったからなのか、もう食べれなくなっていたのか、わかりません。遠く過ぎ去った今でも、その最後の数ヶ月は忘れることができません。

そのネコは、昔、モントリオールに住んでた頃に動物保護施設SPCAからもらってきました。Norwegian Forest catという、その名の通り、ノルウェーの森でも生きていけそうな、運動神経の発達した体の強い堂々とした風貌のネコです。気持ちの強い、誇り高いネコでした。


また、書きます。