2020年12月22日火曜日

新型コロナのスパイク蛋白の変異N501Y 追記

 英国でも猛威を振るっている新型コロナで新たにスパイク蛋白S1のN501Yの変異が見つかり、これが感染拡大と相関があるらしいと緊張が走っています。英国からの移動制限がEU等各国ではじまりました。

COVID19ウイルスもほかのRNAウイルスと同じで変異は絶えず発生してます、凶悪なものに変化することも希にあるでしょうが、ほとんどの変異は何にも変化なく、どちらかというと、消えたり、弱毒化する方向に向かいます。先に報告されたスパイク蛋白D614Gの変異では重症化は起こさないものの感染力が増すことが示されました。実験的に証明されたわけではないですが、このN501Yも細胞への結合を増して感染力の増強に関わるのかもしれません。

このS1蛋白は新型コロナが引き起こす妙な症状と関係するのかもしれません。S1がウイルスから剥がれて体内を回ることは知られていますが、これが血液脳関門もなぜか通過することがマウスの実験で報告され、海馬や嗅覚に入って炎症を起こすことが示されました。こちら。

https://www.nature.com/articles/s41593-020-00771-8

脳だけでなく、腎臓、肝臓にも影響するようなのでやっかいです。今回の変異がこのような作用を増強しないことを願うばかりです。おそらくこのウイルスの高い致死率はこういうウイルス蛋白自体の毒性も関係してるのでしょう。

米国退役軍人のデータでは、新型コロナはインフルエンザの5倍くらい致死率が高いことが報告されました。こちらが原報

https://www.bmj.com/content/371/bmj.m4677

ニュースはこれ

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/wuis-cpa121520.php

ところで、先に書いた、オーストリアで鼻吸入型が感染予防の治験になってるカラギナンは、結局、以下のような組成で作って、喉スプレーにしてます。カラギナンは、湯煎で溶かす必要がありますが、それさえやればさくっと溶けます。お菓子作りと同じ。安全性の高いプロピオン酸ナトリウムを雑菌増殖防止に使い、ただ、これだけでは何の味もなくてまずいので、楽天で買ったミントの結晶をざくっと入れました。結晶はほとんど溶けないので、スプレー容器に残ってます。ミント、メントールにも抗菌作用があり、もともと炎症を抑えるものとして古来から使われてきたものですが、何よりも味が格段によくなりました。

イオタ-カラギナン 0.2 g/100 mL 

プロピオン酸ナトリウム 0.5 g/100 mL 

ミント結晶(適当)

あまり大量に入れておかないで、残りは冷凍して、雑菌が増えないようにしてます。滅菌などしてないので、ほんとにこの組成で雑菌が増えないか菌を入れて試してみたところ、大腸菌はほぼ増えず、持ち歩いてもいいかな。ただ、これがほんとに新型コロナの予防になるのかはわかりませんが、炎症を抑える作用はあるはず。前線での防御は大事です。誰か、これいる?

追記

このN501Yの変異は特に新しいものではなく、9月から報告されてました。ほんとに感染力が高まってるのかは、どこにもデータがなく、ジョンソンさんがいってるだけ、ということもないでしょうが、何ともわかりません。その割に世界中に規制が強化されて、日本でも英国からの入国が制限されるようになったようですが。

さらに追記

インフルエンザの5倍の致死率というのを間違って5%にしてしまってました。ひどい間違いです。ごめんなさい。5%ならいいのだけど。ところで、4月に有効ではないかという報道のあった吸入剤オルベスコ、残念ながら臨床試験の結果、新型コロナには効果ないそうです。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020122300862&g=soc

がっかり。折角入手しておいたのに。ただ、どうも効かないらしいというのは、うちの呼吸器の医師もいってましたが、やっぱり。この試験は数が少ないのですが、少なくともあんまり効くものではないことはわかります。

もっと追記

この変異が急速に拡大し、日本にも入ってきてるということがあきらかになり、新規入国禁止措置がとりあえず1月末まで急遽取られることになりました。極めて深刻な事態です。英国では新規感染の6割がこのN501Yだそうで、これがロックダウンしている英国での急増の要因でしょうか。この数値からすると、これを止めるのは相当難しい。各国において再び外出禁止するありません。それにしても、こんな中で、飲み会開いてる人間がいる事が信じられない。まったくひどい正常性バイアス。学ばない人間はいつでもいて、感染は彼らの無知が拍車をかけます。

もっともっと追記

スパイク蛋白のN501Yの変異とはいっても、この変異体には他にも変異が沢山含まれていて、69-70の欠失、144の欠失、N501Y、A570D、P681H、T716I、S982A、D1118H を持つものが、問題視されているそうです。N501Yだけならば、既に出てたので、なぜ今頃と思ってましたが。