英国を皮切りに、EU諸国ではファイザー社のRNAワクチンをまず医療従事者に投与されることになりました。フランスやオランダ、デンマークでは1月からとか。個人的にはこのワクチンは勘弁して、とは思いますが、やむをえない措置とは思います。欧米での多くの医療従事者の場合、リスクがあまりに高く、ワクチン接種によるデメリットよりも遙かに大きいのは明白です。
ただ、この接種がはじまると、抑えるという結果が明らかになるのは来年夏以降で、それまでは、おそらく副作用のみがマスコミを賑わすことになりそうです。どんなワクチンでもある程度の副作用はあります。どこまでが許容範囲か。
このRNAワクチン、BNT162b2、はCOVID-19スパイク蛋白をコードするmRNAを修飾して、LNP、リン脂質ナノ顆粒の中に封じ込めたものです。このLNPは薬物投与の新たな手法で、RNAのような不安定な(というよりは分解されやすい)ものに最適。RNA自体が、生体のものとはちょっと違うものに置き換えられていて、分解されにくくしているようです。おそらくファイザーのBNT162b2とモデルナの1273の違いは、顆粒の表面の処理、あるいはRNAの修飾の方法か配列の差によるのでしょう。
ワクチンが効いてる、という結果がでる夏くらいまで、短期的な副作用ばかりが出てくるので、ワクチンを受けないほうがいい、という風潮が出てきそうな気がします。私はあんまりリスクが高いとは思えないので当面は受けるつもりはないですが、リスクの高い人は受けたほうが良い。ずるいかもしれませんが、これは一人一人で判断するしかないところ。いまでも喫煙する人も大勢いますが、長期的な副作用は明白でかなり深刻でも、本人にはメリットがあるという判断でタバコ吸ってるわけで、このようなことはタバコほど重篤な被害でなくても、アルコールや、あるいはジャンクフードなど多くあります。自分で決めるしかない。
開発されてるワクチンの中では、従来の蛋白由来のもの以外ではこのRNAタイプが一番安全性が高く、深刻な副作用はおきにくいはずです。RNAをLNPを用いて投与するなんていうのは人類史上初の試みなので、想定外のことが長期的には起きる可能性もありますが、短期的には、普通のワクチンの副作用と同じくらいだろうというのがこれまでの小規模での結果のようです。来年中には短期的な副作用についてリスクの高い人を中心として大量の情報が集まるでしょう。一般に広がるのはそれからと思います。
ワクチンはともかくとして、簡単で安全な治療薬の開発を願います。なかなか治験の結果が出ないのは、今では効くのは全部投与してるので、特定の薬剤が効いたかどうかの判断がつかなくなってるから、と、呼吸器内科の先生がいってました。誰でも、人類のためよりは、自分だけは万全を期して治してもらいたいものです。
とはいっても、数が沢山集まれば、解析によって答えは出てくるでしょう。この前書いたカラギナンや、カモスタット等で細胞への侵入を防ぎ、症状が出てきたら、デキサメサゾンで症状のほうを抑える、という方法で、何とかしのぎたいところです。そういえば、よく似たオルベスコは、ちっとも効かん、と彼はぼやいてました。折角、オルベスコはウイルスの増殖を抑えるということもわかってたのに、がっかり。ま、タイミングかもしれませんが。
追記 2021/08/29
来年、つまり21年中にデータが出てそれから一般に広まるだろうと書きましたが、さらに加速されて夏までにはほぼ半数の国民がワクチンを受けるまでに広まりました。現実は想定を越えて進んでいます。デルタ株のような強力なのがこれから1年で蔓延するとは思いませんでしたが。その中で、モデルナのほうの副作用、異物混入が問題になってきています。この件については、次のブログの方に書きました。https://janushons.fc2.net/blog-entry-55.html 段々わかってきているような感じはします。