ほんとにやるのか、プラスミドDNAワクチン。確かに治療薬が一斉に臨床試験に入ってるものの、特効薬的なのはなさそう。組み合わせならあるかもしれないですが。ならばワクチンというわけで、ワクチンの開発競争が世界中で始まってます。だけど、そもそもプラスミドDNAを注射してのワクチンは、これまで世界中で承認されたことがないはず。この機会にプラスミドDNAワクチン自体の試験をやってしまおうということでしょうか。
今回の報道ではまずは大阪市立大の30名くらいの医療関係者に対して、安全性と効果を確かめるということなので、COVID19に対する抗体ができるかどうかを調べるという試験なのかな。
しかし、日々、プラスミドDNAを扱っている研究者としては、これを自分に注射する気にはなりません。確かに簡単で、たとえばGFPを発現するプラスミドDNAをマウスの筋肉に打つと、緑に光る細胞が出てくるので抗体ができることはあるでしょう。だけど問題は、細胞内に取り込まれたDNAは一定の割合でゲノムの中に取り込まれること。
ものすごく低い確率なので、それが最終的にガン抑制遺伝子を破壊したり、大事な機能を持つゲノムを破壊する確率はかなり低いとは思います。だけど、それがCOVID19で死亡するリスクに比べて無視できるくらい低いかはやってみないとわかりません。
本来はウイルス断片をコードするRNAを注射してワクチンにするのが一番安全です。RNAはあと一段階で蛋白になるので効率も高い。なによりも大事なのはRNAはゲノムに組み込まれることもありません。だけどそれは人に使うレベルに持っていくには技術的なハードルが高く、またすでに米国ではビッグファームによるRNAワクチンの試験がはじまっています。これを作るのは技術的に難しすぎるし、おそらく特許に引っかかって儲からず、準備する時間もない。
それで産業化するために誰もやろうとしないプラスミドDNAワクチンをやってみよう、ということでしょう。だけど、さすがに開発元の阪大では臨床試験をやりたがらない。万が一のことを考えます。
だから近くで、市や大阪府のいうことを聞かざるをえず、またおそらくはうるさ方の少ない(想像)大阪市立大でやることにした、ということかと察します。この、特定の大学の医療関係者に、というところがどうも、うさんくさい。もちろん開発者ご本人も実際にDNAワクチンを打っておられるのでしょうが、自分の大学にはそれを説得できなかったわけで、普通に考えると、これはかなり危ない気がします。
いわゆる遺伝子治療においても、DNAの細胞内への導入が行われます。ただ、これらは、他に助かるめどのない、極めて重篤な症状にほぼ限定されています。それらの臨床試験は、健康な人においてなされているとは、まず思えません。かなり人道的な問題が発生します。
今回開発されたDNAワクチンはさすがに短期的な安全性は大丈夫でしょう。だけど一番気になる長期的な副作用は、10年、20年のスケールでしかわからないので、その様子待ちです。そもそも、この試験、許されるのかな。
今回の報道ではまずは大阪市立大の30名くらいの医療関係者に対して、安全性と効果を確かめるということなので、COVID19に対する抗体ができるかどうかを調べるという試験なのかな。
しかし、日々、プラスミドDNAを扱っている研究者としては、これを自分に注射する気にはなりません。確かに簡単で、たとえばGFPを発現するプラスミドDNAをマウスの筋肉に打つと、緑に光る細胞が出てくるので抗体ができることはあるでしょう。だけど問題は、細胞内に取り込まれたDNAは一定の割合でゲノムの中に取り込まれること。
ものすごく低い確率なので、それが最終的にガン抑制遺伝子を破壊したり、大事な機能を持つゲノムを破壊する確率はかなり低いとは思います。だけど、それがCOVID19で死亡するリスクに比べて無視できるくらい低いかはやってみないとわかりません。
本来はウイルス断片をコードするRNAを注射してワクチンにするのが一番安全です。RNAはあと一段階で蛋白になるので効率も高い。なによりも大事なのはRNAはゲノムに組み込まれることもありません。だけどそれは人に使うレベルに持っていくには技術的なハードルが高く、またすでに米国ではビッグファームによるRNAワクチンの試験がはじまっています。これを作るのは技術的に難しすぎるし、おそらく特許に引っかかって儲からず、準備する時間もない。
それで産業化するために誰もやろうとしないプラスミドDNAワクチンをやってみよう、ということでしょう。だけど、さすがに開発元の阪大では臨床試験をやりたがらない。万が一のことを考えます。
だから近くで、市や大阪府のいうことを聞かざるをえず、またおそらくはうるさ方の少ない(想像)大阪市立大でやることにした、ということかと察します。この、特定の大学の医療関係者に、というところがどうも、うさんくさい。もちろん開発者ご本人も実際にDNAワクチンを打っておられるのでしょうが、自分の大学にはそれを説得できなかったわけで、普通に考えると、これはかなり危ない気がします。
いわゆる遺伝子治療においても、DNAの細胞内への導入が行われます。ただ、これらは、他に助かるめどのない、極めて重篤な症状にほぼ限定されています。それらの臨床試験は、健康な人においてなされているとは、まず思えません。かなり人道的な問題が発生します。
今回開発されたDNAワクチンはさすがに短期的な安全性は大丈夫でしょう。だけど一番気になる長期的な副作用は、10年、20年のスケールでしかわからないので、その様子待ちです。そもそも、この試験、許されるのかな。