その前に飼っていたネコは、アパートでのネコの飼い方がよくわからないまま、早くに急に死んでしまいました。女房からラボに電話があり、すべて放り投げて飛んで帰ってきました。次の日もアパートの中でうちひしがれて、後悔を引きずってました。一緒にやってたテクニシャンの人にだけ伝えたので、ボスに話してくれたのでしょう。無断欠勤もいいところですが、ボスは文句も言いませんでした。
そんな我々を気の毒がったのか、ラボの人間が家に招待してくれました。そこには日本であまり見たことのない立派なネコがいて、 norwegian forest catのことを教えてもらいました。モントリオールでは割と良く見ました。もちろんノルウェーの森ネコとはいってもおそらくすべて室内飼育で、さすがにあそこで冬を越せるとは思えません。
彼らの勧めもあって、SPCAに行きました。すると、ちょうど兄弟(姉妹?)のnorweigianがいて、その片割れをもらいました。すまないと心の中で謝りつつ、その分余計に可愛がったかもしれません。しばらくするとボストンに移ることが決まり、車で5時間ほど、友達のヴァンに引っ越し荷物を満載して、我らとネコはボストンに向かいました。
引っ越しの際には、大部分の荷物は郵送して送り、残ったものは我々だけで車に詰め込む予定でした。引っ越し業者などには頼みません。それがその頃は普通でした。その頃は、日本でも友達や同僚を総動員することは普通でしたし。
荷物は女房が詰めてくれてたので私は当日車に運び込むだけでした。でも、持参する荷物もそれなりにあります。部屋からエレベータに積むとき、エレベータを占有してしまい、管理人さんにダメだよと叱られて、困ってました。そのとき、ちょうどラボで一緒にやってたテクニシャンの人が様子を見に来てくれて助けてくれました。彼女にはほんとにお世話になりました。車に乗り込んで、アパートを離れ、最後に見たモントリオールの河の景色は忘れません。
ながく住みました。初めての異国、とくにモントリオールは随分文化が違います。若いときだからできたこと。よく切り抜けたものです。日本人が多いボストンだったら、もっと楽だったかもしれない。でも、その分、とてもおもしろかった。