2020年11月24日火曜日

カラギナンで新型コロナ予防という臨床試験

カラギナンというゼラチンのような作用のある海草抽出物、多糖類が新型コロナに対する予防効果があるかを調べる第IV相の試験が医療従事者を対象にオーストリアで行われるというニュースが出てました。これはオーストリア・ドイツ圏ではすでに鼻スプレー、喉スプレー、トローチとして売られているようです。

 https://www.b3cnewswire.com/202011202154/marinomed-biotech-plans-clinical-trial-with-carragelose-nasal-spray-to-investigate-prevention-of-covid-19-infection-in-frontline-healthcare-staff.html

鼻スプレーなどはこちら。

http://www.coldamaris.at/coldamaris-rachen.html

カラギナンは食品添加物として、アイスクリームの粘性を増したり、あるいはいわゆる増量剤にも使われてるのかな、ありふれたもので、日本でもアマゾンなどから買えます。こんなものが、と調べてみると、きっかけはこの論文でしょう。pdfです。

https://media.marinomed.com/fa/45/58/2020-07-28-224733v1-full.pdf

まだ査読されてなくて、bioRxivにおかれてます。これは培養細胞を用いて新型コロナの感染性を調べたものです。カラギナンには3つのタイプがありますが、この図を見るとこのうちのイオタ型が一番よく効くのがわかります。



ただ、この図を見るとCMC、ごくありふれたねばねばをだす薬品でもある程度は感染を抑える活性があることがわかります。また、ここは利益相反がばりばりなので、どうかなあと持ってほかを探すと、特許情報もあり、こちら。

https://patents.google.com/patent/JP5647518B2/ja

特許情報なので長いですが、ずっと読んでくと、すでにコロナウイルス(但し新型ではない)を含む様々なウイルスに対して、特にイオタ型カラギナンが細胞への感染を抑えることは前から示されているようです。なおウイルスが来たときにこれがあることがカラギナンの抑制作用に必要で、前もって細胞をカラギナンで覆っておいてもダメらしい。ともかく、カラギナンの作用があっても特別驚くようなものでもないということはわかります。

先に書いた、アズレンとあわせてこのイオタ型カラギナンを使って、喉スプレーやうがいなどに使えば、新型コロナへの感染予防に良さそうには思えます。冒頭に書いた臨床試験はこのための試験ですが(アズレンは無いにしても)、こんな安く手に入って無害なものなら作ってみようかな。イオタ型はパンナコッタ専用ともいわれてるそうで、カルシウムがあるとすぐに固まるらしいので、調製方法に要注意かもしれません。自分で作るときは雑菌が生えないようになにか安全な防腐剤を加えておく必要がありますね。