2020年7月24日金曜日

座椅子をめぐる攻防 +追記

ふと見たら、狭い座椅子にネコ二匹。


ここは本来、茶ネコの定位置。少し前に、白っぽいネコが落ち着いてましたが、どうやら、味をしめて私の場所よ、という主張をはじめた模様。


いつもように茶トラが座椅子でくつろいでいると、強引に押し出そうとする妹ネコ。困ったような顔した茶トラですが、できたネコなのでなかなか怒りません。


このあと茶トラはだまって平和裏に出ていきましたが、さすがに限界もあり、戦闘状態になることもあります。これを人が寝てるときにやるから、寝てる方はたまりません。怒った女房がとった処置。


座椅子が横倒しに。たしかにこれで争いはやみましたが、これでいいのか。。。

あきらめてもう一つのぴったりサイズのベッドに収まる茶トラ。


最初からこれに寝てろと。



後日談
ふと気がついたら茶トラが横になった座椅子を見ています。ピンぼけですが。

まだ見てます。

なぜだろうと。

なにもいわずに、少し離れてもじっと見てます。


悲しい顔であきらめて。

飼い主はこの無言の訴えを撮影して施設管理責任者に見せて交渉したところ、後日、無事に座椅子があるべき姿で置かれるようになり、茶トラの正しい寝場所が回復されました。今のところ、白っぽいネコの攻撃は受けてません。

2020年7月23日木曜日

「感受体のおどり」 ふたたび

「さざんかが咲いていた。花に名があるということになぐさむのをかんじた。伸びつのる脚に海は近く、晴れておだやかな波おとに白とべにのしぼりが優しかった。」

以前のブログで黒田夏子の「感受体のおどり」について書いたら、なぜかそれへのアクセスがずっと地味に続き、今だにアクセスされつづけてます。前のブログの大部分は公開終了にしたのですが、これは残しました。しかし、なんでこんなにマイナーな話にアクセスがいつまでも来るのか、感想文の対象にするような本でもないし、レポートにぱくられてるのでしょうか。それとも、学生さんの卒論のネタ調べ?

なんでもいいのです。この、日本の文学史上で希有な輝きを見せる、ほとんど奇跡のような作品が、ものすごい出版物の中でも埋もれることなく、人の記憶に残るのならば、それはうれしいこと。冒頭は、「うしろからの足おとにーーー」と題された章の第42番の頭の部分です。

まったくなんていう丁寧な心の記述!こんなに簡単にブログで書いてしまって良いのかとも思うほどの文章です。書いてますが。

冒頭に続く部分、

「 ずっと小さかったある宵の食卓で、だいこんの切りかたにいちょうだのせんろっぽんだのと名があるのをおとなたちの会話に聞き知って、ひそかになぐさんだのをおもいだした。だいこんという名だけでなく、きりかたまでがこまごまと名づけられていることの安らぎが、朱ぬりのわんのへりの温かな光沢とともにおりにふれてよみがえった。うらがえせば、事物があまりにも捉えどころなく過ぎていくという不安な悲しみに耐えなければといつも身がまえていたので、どんなわずかなぶぶんでもことばによっておぼえたりつたえたりできる領域がひろがるとなぐさんだのだ。」

この42番の前にはこんなところもあります。先生に連れられて絵を描きに海の見えるところにいったときの記憶から、

「捨ててしまったものは、野ふじのひとちぎりだけではなく、踏みしだいた草の匂いだけではなく、小とりやなかまたちのさざめきだけではなく、おちつけばかすかにつめたい初秋の風だけではなく、みえないうしろではなくよこではなくて上ではなく、見えている至近のものでもあるのだった。それでいていままでのならわしどうりに描いているほうがやがてまわってくる教員をやりすごすには最もらくなのだと私はもうわかっていたし、なかまたちが、組でゆびおりの描き手である嵐犬もふくめてやはりそうしているだろうともよくわかっていた。しかしこんなふうにほとんどなにもかもを切り捨ててしまった世界のかけらを模すという作業を、おとなたちが、みわたされた方法の体系の順当な過程として意図してしつらえているのかどうかは判じあぐねた。・・・・ (中略)
 しきりに暗いとおもった。まだ暗いと、おもいもかけず暗かったと思った。私にとって絵はそれほど重いいみをもたないもののようでもあるが、ことばで書く作業でもほとんどなにもかもを切り捨ててしまっていること、明確な根拠や選択からではなくてただそうしてでもとりかからなければはじめられないためのまにあわせに種族のならわしを借りただけのきわめてあいまいな出発であることを、野ふじの葉が、絵ふでをうごかしているじぶんの手が知らせてよこした。・・・」

おおよそ、日本語の極みです。前も書きましたが、これはほとんど源氏物語。黒田夏子が生涯をかけてひたすらに続けたこの作業の根底には、おそらく42番の上の引用に続く、下に記された思いがあるのでしょう。

「 物に名があるとはじめて知った日の記憶はない。ことばをもつまでのあいだ、ことばのない不安があったのかどうかの記憶もない。しかしもちはじめるや、たりなさは重くつもった。ことばにしないことは喪うことだとかんじられてそそりたてられるようにじれた。いのちがさかっていたので、無は小さな寂しみのつぶてを投げかえしてくるだけだったが、それは比喩ではなく、死そのものののかけらだったろう。」

無は小さな寂しみのつぶてを投げかえしてくるだけだった、子供の頃の記憶。たぐりよせる黒田夏子の丹念な作業は、なにか、とても大切なのです。

2020年7月18日土曜日

core i7 6700kを使って

これも備忘録。棚に積んでたH370というASUSのマザボが2つと、core i7 6700kというCPUの1つ。学生がデータベースとして使いたいといってきたので、組み立てたら起動せず、調べたらこのマザボは8000台以上のCPUでないと対応してないことが判明。紛らわしいことにこのCPUは型としてはLGA1151でぴったり入ってしまう。仕方なく、中古のマザボで6700kにあうのを探したところ、H170 Pro4sというのが7000円くらいで出ていたので購入。逆にマザボにあうCPUを探すと、安いのが見つからないので。

OSは、以前、PCを入れ替えて使ってなかったWindows7proのDVDがあったので、これで500GのSSDに新規OSをインストールしたところ、あっさり立ち上がりました。次にMicrosoftのサイトからWindows10へのupgradeソフトをダウンロードして、version upに成功。今では公式にWIndows10へのアップを認めてるのですね。

ただ、かたかたいう音が耳障りで、これは、CPUファンにつけてる水冷のクーラーではなく、電源ユニットのファンから来ていることが判明。そこで一番安い電源ユニットを買って、5000円くらいでしたが、取り付けて静音化。これで24時間オンにできるPCができました。


そのあとで
芸能人のニュースには疎いのですが、三浦春馬が自ら命を絶ったらしいという速報に、聞いた名前、と思って、コメント欄を見ると、やはりNHKの「世界はものに溢れている」だったか、そんな名前の番組でいつも見てた俳優さんでした。女性のほうがあんまり好きでないのだけど世界のあちこちのものがでてくる内容と三浦春馬の素直さで、また時間帯がいつも家に帰ってテレビをつけるときなので、割と良く見ていました。

恵まれた容姿と素直さ、人気の高い俳優で、誰もがうらやむ人生のよう。でも、それは、本人にとっては実はあんまり生きるよすがにはならないのかもしれません。俳優の場合、イメージは作られるので、乖離が必ず起こり、実は自己表現ができてない、ということも。

だけど、死ぬのはいつでもできること。この世に生まれたのなら、すべての可能性を試さねばならない、キリスト教者なら、それが生きるものの務め、と間髪をおかずいうでしょう。だけど、そういう理由をもたない我々、無宗教者はどう理由付けすればいい?サルトルのいうように、それは人間には自由を求める能力が与えられているから、でしょうか。

Philip Glassのバイオリン協奏曲、クレーメルの演奏が、たまたまつけていたエストニアのラジオ局から流れています。我々はどうこたえられるのか、いつも考えこみます。

2020年7月11日土曜日

オルベスコの治療効果 追記 インターフェロン点鼻薬

喘息の薬、オルベスコ(シクレソニド)はすごく効いたという3名のCOVID患者の治療結果が出たのは3月。国内では、何カ所かで良く使われていたようですが、世界的には米国、カナダなどで臨床試験にようやくはいったくらいで、made in Japanだからか、あまり調べられてません。

まだかなあとネットで調べたところ、待望の他施設による結果が出てきました。聖マリアンヌのグループです。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S016817022030753X
幸か不幸か、患者数が日本では十分になりませんが、それでも充分、参考になりそうです。まず彼らは重症になる患者ではリンパ球数が低下することを示し、これを指標としてシクレソニドの効果を見ています(もうちょっと、ちゃんと書けませんかねという気はしますが。)

こちら。左が投与してない患者11名の変化。
preproofで正式な出版前なので、図の後ろにその旨を示す表示がありますが、査読された論文です。右が投与した7名の結果です。一人一人の変化を線で表しています。リンパ球数が低下した患者ではシクレソニドは全員に効いてリンパ球数を回復させています。

この話が3月に出た頃には喘息の患者でこの薬を必要としている人がいるのでと学会が警告を出す事態にもなりましたが、その後、供給体制は確保されたようです。

シクレソニドはウイルスの複製を阻害し、つまり基本的な懸念の消えないアビガンと似たような作用があるようです。なるほどステロイドで、ATP等とは似ても似つかぬ形ですが、ともかくRNA複製酵素に結合するのかな。


おそらく本来のステロイドのプロドラッグとしての作用である肺炎を抑えることも、治療に効果があるのでしょう。これらの作用があわさって結果的に回復が認められてるのではと思います。こちらは心配するような副作用はほぼ知られていません。

いずれにしても、この論文でもできるだけ早期に投与することが強調されてます。やはり、前からの方針通りに、私らとしては、コロナをつぶして喉の炎症を抑えるアズレンでうがいをして、怪しいと思ったら、カモスタットメシル(フォイパン)を舐めて細胞への侵入を防ぎ、オルベスコを吸入してウイルス複製をブロックすることにします。


追記
インターフェロンβ1aの吸入によって、COVID19入院患者の重症化率が78%減った、但し、偽薬との差はあんまり大きくない(p=0.046)、また、入院中の快復率は偽薬に比べて4倍高かった(こちらはもっとはっきりしてるらしい)、という二重盲研による厳密な臨床試験の結果が、英国の企業から公表されました。
https://www.globenewswire.com/news-release/2020/07/20/2064231/0/en/Synairgen-announces-positive-results-from-trial-of-SNG001-in-hospitalised-COVID-19-patients.html
101人の結果なので、統計的な力が弱いのはやむをえないですが、この結果は、他のセンセーショナルなのよりもよほど信頼が置けます。また、副作用の心配がまず要らないのも心強い。同じ試験は、米国においてもちょっと規模を大きくして行われてます。

追記の追記
この話、さらに関連情報が出てます。中国の湖北省のTaihe hospitalで医療従事者2415人全員にインターフェロンを毎日4回点鼻投与したところ、その投与の28日間のCOVID-19感染はゼロに抑えられました。こちらがデータ。

ただこのグラフ、ミスがあるようで、Wuhan medical staffのconfirmed caseの列が0なわけがありません。それで、この列は無視するとして、武漢以外の他の湖北省の病院では400人近くに感染が起きています。これにたいしてインターフェロン点鼻薬を使った医療従事者では0と完璧に押さえられてます。

すごい効果に見えますが、逆の可能性もないわけではないので、まだ予防として世界中で用いるにはエビデンスが不足してるかもしれません。だけど、個人的には使いたいところです。だけど、人用のインターフェロン点鼻薬なんて、手に入らないしなあ。



BIOS更新とビデオボード交換

忘れないうちに。震災以降使ってた大きな顕微鏡の操作に使っているPCというかワークステーションでHPの0AEChというモデル。メーカーさんとやりとりして開発したマクロのために、OSをWindows10にあげれないのですが、ネットに繋がないにしてもなにやらこのところフリーズが多い。マウスがつまずく、キーボードが動作しない、等、どうも怪しい。一応、まったくおなじPCをeBayでみつけて買ってあるので、どれが壊れても、パーツを差し替えればいいようにはしてます。ただ、装置の操作につかうPCIボードだけは心配ですが、これは壊れないかな。

ともかく使いにくくなってきたのでBIOSを検討したところ、やはり古いままでした。そこでBIOSをネットで調べてupgradeして、2018/03/05に出た最終versionのver3.61にあげました。USBメモリをDOSでフォーマットして、これにダウンロードしたBIOSを入れて、立ち上げてこのversionを読み込ませるだけ。どきどきしましたが、何事もなく立ち上がり、まったく何の異常も起きず、一安心。

多少は安定したかな。様子を見て、だめそうなら、マザボを替えます。ともがく、ぎりぎりまで引っ張ります。

これとは無関係なはずですが、ビデオボードがおかしな音を立てるようになりました。明らかにファンの異常で、これは交換するしかありません。みるとNvidiaのFX580、500Mしかメモリないタイプですが、今でも売ってます。だけどさすがに2万近くはするので、中古を探したところ、何とヤフオクにいくつも出てるという。。しかも即決価格が800円という出品があったので、3秒考えて、落札しました。減るだろうと覚悟してたボーナスも出たし。というほどの出費でもないですが。

なぜこんなに安い値段で出されたのか知りませんが、ありがとうございました。これが到着するまでの2日間、脇に置いた0AEChからビデオボードを抜いて使ってましたが、こちらはシングルモニター用でちょっと使いにくい。使ってた研究者からも、普段いかに贅沢してるかを感じましたといわれてしまう始末。

幸い、ヤフオクのはすぐに送って戴いたので、刺してドライバーをNVidiaから落として、再起動したら、何事もなかったようにダブルディスプレイが復活しました。えっと、書いてもいいかな、これはFX580として出品されていましたが、ついたボードを見ると、FX2000。これはFX580より上位のボードで1Gメモリです。なにか勘違いされた模様。こちらとしてはありがたく頂戴しました。こんなところは見られないでしょうが。

備忘録。あとになると、この情報が役立つことがあります。

2020年7月10日金曜日

Kobo Forma を買ったという話

結局、買ったのは Kobo Forma にしました。これはないと初めは思ったのですが、先に書いた中国の7.8インチeInkリーダーは、ノートがついてる分、重くなってます。この重さは結構大事なポイントで、ほとんど夜中に寝っ転がって読むので、数十グラムでも大きい。そもそもノートは、LikebookのMimasでもついてますがまったく使いません。メモは紙のほうが良い。

また中国の2つのはアンドロイドでGoogle playが使えていろんなリーダーアプリが使えるという話ですが、Mimasでやってみると、ろくなリーダーはなく、結局Mimas本体のリーダーを使ってます。またブラウザやメールを何もこれでやる必要はないわけで。

もう一つ重要なだったのは、8インチである事。つまり0.2インチだけ大きい。ほんのちょっとでも大きい方が良い。それにマニュアルがダウンロードできたので、操作の確認ができました。

というわけで注文したところ、すぐに来ました。まず、起動すると楽天にログインしないと先に進めません。やりたくないけど、これを一度やれば、あとは、wifiを切れば良いだけです。早速、PCにつないでスキャンした自炊本を入れて読んでみました。操作はKobo aura oneと同じで、本はChainLPで.cbzにしたものを、Formaのストレージのルートにおきます。すると、ライブラリの中に入る仕組み。

左がAura oneで右がForma。一見、Aura oneの方が長く見えますが、これはベゼルが長いだけで、表示画面ではAura oneが15.2cmで、Formaは15.6cmと、4mm長い。特徴的なのがページ送りボタンですが、左側においてます。この左のベゼルの部分は滑らないゴムのような素材で、持ちやすい。このボタン自体は使わず、Aura oneと同じ画面タップを使うように設定しましたが、この左のベゼルの部分は持ちやすく、ボタン使わなくてもなかなかいい感じ。

本を読むことにしか使わないわけですが、操作自体は同じでページ送りも同じくらいの速さかな。大事なのは軽さで、197gと、230gのaura oneよりも33g軽い。わずかですが、長い時間になると、それなりの差になります。

唯一の難点は、電源ボタン。こんなにしなくてもいいだろうにというほど重くて押したかどうかがはっきりしない。ランプを見ないとわからないという。そういえばAura oneもそうでしたが、輪をかけて使いにくいボタン。鞄の中に入れて間違ってオンになることを避けようという意図はわかりますが、普通はカバーをつけるだろうからそんなの必要ないのに。

と、大きな喜びもない変わりに、ちょっと進化と、新たな書庫ができて、ちょっとうれしい。実質28G入れられるので、再び1000冊は入りそうです。

追記
Aura oneでは禁則文字があり、たとえば、ユダヤ人、というのをファイル名にできませんでした。これが、Formaでは修正されたようです。さすがに。
新たにKoboを買ったら500円割引が楽天でついたので、これではじめて楽天で電子ブックを買いましたが、キンドルと同じでやはり読みにくいし、ぱっとしない。写真はちゃんとしたレイアウトにならないし。これは以前からちっとも改善されない。やはり物理本を買って、自炊してChainLPでBoldにして表示させないとダメです。おまけに、この電子ブック、画面タッチでページめくりをする設定がページの前と後ろが逆になっているという始末。ページ送りボタンを使うしかないというお粗末さ。あんまり本気で作ってないのかな。

2020年7月6日月曜日

次の電子ブックリーダー

楽天から買ったKOBOのAura one、コミックeditionなので32Gのタイプ、ふと気がついたらちょうど1000冊になりました。この画像のライブラリの下に小さく出てます。


2018年3月にこのeInkリーダーを買って、すぐに満杯になるだろうと思っていたら、ファイルのスリム化、そしてでかい本はLikebookのMimasに移行させて、本棚の自炊は忙しくて中断してたら、意外と長持ちしました。まだ4G空きがあるけど、安全のためにこの辺で新しいのを探した方が良いかな。ちなみにChainLPでpdfをcbzに変換してますが、最終的に、詳細設定はこうなってます。画像のタブの中、色深度は

2bitで充分という結論。

本体の部分はこちら

本の状態によってガンマ補正を入れることもあります。

だけど次は、と考えてしまいます。KOBOの7.8インチリーダーの後継機というと、女房に取られた8Gのaura oneと同じものをまた買うか、formaしかないですが、formaは見開き用になっていて、普通の本を読むのには使いにくそう。

となると。事実上、BooxのNova2、LikeBookの Ares Note、それとnoteとしての書き味がいいと評判の上海のラッタが出してるSupernote A6の3つになるようです。Supernoteは本も読めるという位置づけですが、リーダーとしてどうなのかがなかなかわかりません。またこれはLinuxで、他のはAndroid、ただNova2はAndroid9で、Aresは6です。この差がどうなのかわかりませんが、少なくとも、Google playerが使えなくもない、というところのようです。両方ともに32Gのストレージです。

Nova2ではついには2GのCPUになりました。Aura oneはたしか1Gでした。メモリは3Gです。進化してます。スペック的にはNova2が他のを上回ってます。ネットを見るといろいろと使いにくさ、バグもあげられてますが、これは中国のではよくあること。本を読むだけなので、特に関係ないことが多いです。しかし、肝心のリーダーとしてどうなのか。悩ましい。

2020年7月5日日曜日

I've Made Up My Mind to Give Myself to You

ふと、週末になると、Bob Dylanの新しいアルバムの中にある、I've Made Up My Mind to Give Myself to You を聞きたくなってYouTubeを開いてます。

このアルバム、Rough And Rowdy Waysは、あまりに異例づくしで、もはや誰も言いませんが、もうすぐ80になるミュージシャンが新作アルバムを発表して全英などでのアルバムチャート第一位を獲得ということ自体、調べるまでもなくはじめてでしょう。そもそもノーベル文学賞をもらって新作アルバムを出すなんて。何もかも、すでに伝説です。

だけど、何よりも驚きなのは、この想像力。個人的にはこれは1970年以降に発表したアルバムの中で最高のものに思えます。1970年以降も優れた曲はちらほらと出してきていましたが、ここまで、すんなりほれぼれできるものを出してくれるなんて思いもしませんでした。

とくにこの、I've Made Up My Mind to Give Myself to You、印象的な旋律の中で、今回新たに見つけた声で静かに歌われるこの美しい曲。この詩は彼の詩とは思えないくらいとてもやさしく、わかりやすく、いつまでも残ります。

たまに、かれはものすごく美しいやさしい曲も歌ってきました。古くは、corrina corrina, Spanish is the loving tongue等々。これらは、Love minus zeo/no limit,
sad-eyed lady of the lawland等の謎めいた曲、あるいはハリケーン、のような強いメッセージ性を持った曲などの中に隠れてほとんど取り上げられることはないですが、実はとても叙情的で、なによりも好きな曲です。しばらくするとまた聞きたくなります。

この旋律、なんて美しい、だけどどこかで聞いたことがあるようなという気もしてましたが、YouTubeのコメントで誰かが書いててようやくわかりました。ホフマンの舟歌、オッフェンバッハの有名な歌曲です。気がつかなかった。彼はこれを見事に新しい歌にしてます。ちょうど、ノルウェーの森がFourth time aroundになったように、指摘されないとわかりません。

I'm sittin' on my terrace, lost in the stars
Listening to the sounds of the sad guitars
Been thinking it all over and I've thought it all through

・・・・・・

I traveled a long road of despair
I met no other traveler there
・・・・・・

なんて素直な。なんのてらいもなく、このように歌えるようになるには、とても長く続けなければならなかったのかもしれません。このyouとは、ほとんど、神のことです。ただ、神への愛が語られるというよりは、この出だしにあるように、夜、テラスに出て星を眺めていて、これまでの人生を考えている、そんな中で神に寄り添う気持ちを、そのまま歌ったものです。こんなに簡単にまとめることのできる彼の歌なんて、そうありません。ただ、神とは限らないのかもしれない。この辺がやはりDylan。

無宗教者としては、神のことを歌われてもぴんとこないことが多いのですが、こういう宗教的な気持ちならよくわかります。

Murder most foulが、彼の人生ではじめて全米ヒットチャート首位になったことに気をよくして、ぐっとやる気が出て創作意欲が高まったのでしょう。わかりやすいといえばそうですが、performaerというのはそうやって創作の力を得ます。彼はずっとそうやって歌ってきました。ほんとに、ここに来て彼の素晴らしい新曲を聴けるとは思いませんでした。感謝しかありません。