ふと、週末になると、Bob Dylanの新しいアルバムの中にある、I've Made Up My Mind to Give Myself to You を聞きたくなってYouTubeを開いてます。
このアルバム、Rough And Rowdy Waysは、あまりに異例づくしで、もはや誰も言いませんが、もうすぐ80になるミュージシャンが新作アルバムを発表して全英などでのアルバムチャート第一位を獲得ということ自体、調べるまでもなくはじめてでしょう。そもそもノーベル文学賞をもらって新作アルバムを出すなんて。何もかも、すでに伝説です。
だけど、何よりも驚きなのは、この想像力。個人的にはこれは1970年以降に発表したアルバムの中で最高のものに思えます。1970年以降も優れた曲はちらほらと出してきていましたが、ここまで、すんなりほれぼれできるものを出してくれるなんて思いもしませんでした。
とくにこの、I've Made Up My Mind to Give Myself to You、印象的な旋律の中で、今回新たに見つけた声で静かに歌われるこの美しい曲。この詩は彼の詩とは思えないくらいとてもやさしく、わかりやすく、いつまでも残ります。
たまに、かれはものすごく美しいやさしい曲も歌ってきました。古くは、corrina corrina, Spanish is the loving tongue等々。これらは、Love minus zeo/no limit,
sad-eyed lady of the lawland等の謎めいた曲、あるいはハリケーン、のような強いメッセージ性を持った曲などの中に隠れてほとんど取り上げられることはないですが、実はとても叙情的で、なによりも好きな曲です。しばらくするとまた聞きたくなります。
この旋律、なんて美しい、だけどどこかで聞いたことがあるようなという気もしてましたが、YouTubeのコメントで誰かが書いててようやくわかりました。ホフマンの舟歌、オッフェンバッハの有名な歌曲です。気がつかなかった。彼はこれを見事に新しい歌にしてます。ちょうど、ノルウェーの森がFourth time aroundになったように、指摘されないとわかりません。
I'm sittin' on my terrace, lost in the stars
Listening to the sounds of the sad guitars
Been thinking it all over and I've thought it all through
・・・・・・
I traveled a long road of despair
I met no other traveler there
・・・・・・
なんて素直な。なんのてらいもなく、このように歌えるようになるには、とても長く続けなければならなかったのかもしれません。このyouとは、ほとんど、神のことです。ただ、神への愛が語られるというよりは、この出だしにあるように、夜、テラスに出て星を眺めていて、これまでの人生を考えている、そんな中で神に寄り添う気持ちを、そのまま歌ったものです。こんなに簡単にまとめることのできる彼の歌なんて、そうありません。ただ、神とは限らないのかもしれない。この辺がやはりDylan。
無宗教者としては、神のことを歌われてもぴんとこないことが多いのですが、こういう宗教的な気持ちならよくわかります。
Murder most foulが、彼の人生ではじめて全米ヒットチャート首位になったことに気をよくして、ぐっとやる気が出て創作意欲が高まったのでしょう。わかりやすいといえばそうですが、performaerというのはそうやって創作の力を得ます。彼はずっとそうやって歌ってきました。ほんとに、ここに来て彼の素晴らしい新曲を聴けるとは思いませんでした。感謝しかありません。
このアルバム、Rough And Rowdy Waysは、あまりに異例づくしで、もはや誰も言いませんが、もうすぐ80になるミュージシャンが新作アルバムを発表して全英などでのアルバムチャート第一位を獲得ということ自体、調べるまでもなくはじめてでしょう。そもそもノーベル文学賞をもらって新作アルバムを出すなんて。何もかも、すでに伝説です。
だけど、何よりも驚きなのは、この想像力。個人的にはこれは1970年以降に発表したアルバムの中で最高のものに思えます。1970年以降も優れた曲はちらほらと出してきていましたが、ここまで、すんなりほれぼれできるものを出してくれるなんて思いもしませんでした。
とくにこの、I've Made Up My Mind to Give Myself to You、印象的な旋律の中で、今回新たに見つけた声で静かに歌われるこの美しい曲。この詩は彼の詩とは思えないくらいとてもやさしく、わかりやすく、いつまでも残ります。
たまに、かれはものすごく美しいやさしい曲も歌ってきました。古くは、corrina corrina, Spanish is the loving tongue等々。これらは、Love minus zeo/no limit,
sad-eyed lady of the lawland等の謎めいた曲、あるいはハリケーン、のような強いメッセージ性を持った曲などの中に隠れてほとんど取り上げられることはないですが、実はとても叙情的で、なによりも好きな曲です。しばらくするとまた聞きたくなります。
この旋律、なんて美しい、だけどどこかで聞いたことがあるようなという気もしてましたが、YouTubeのコメントで誰かが書いててようやくわかりました。ホフマンの舟歌、オッフェンバッハの有名な歌曲です。気がつかなかった。彼はこれを見事に新しい歌にしてます。ちょうど、ノルウェーの森がFourth time aroundになったように、指摘されないとわかりません。
I'm sittin' on my terrace, lost in the stars
Listening to the sounds of the sad guitars
Been thinking it all over and I've thought it all through
・・・・・・
I traveled a long road of despair
I met no other traveler there
・・・・・・
なんて素直な。なんのてらいもなく、このように歌えるようになるには、とても長く続けなければならなかったのかもしれません。このyouとは、ほとんど、神のことです。ただ、神への愛が語られるというよりは、この出だしにあるように、夜、テラスに出て星を眺めていて、これまでの人生を考えている、そんな中で神に寄り添う気持ちを、そのまま歌ったものです。こんなに簡単にまとめることのできる彼の歌なんて、そうありません。ただ、神とは限らないのかもしれない。この辺がやはりDylan。
無宗教者としては、神のことを歌われてもぴんとこないことが多いのですが、こういう宗教的な気持ちならよくわかります。
Murder most foulが、彼の人生ではじめて全米ヒットチャート首位になったことに気をよくして、ぐっとやる気が出て創作意欲が高まったのでしょう。わかりやすいといえばそうですが、performaerというのはそうやって創作の力を得ます。彼はずっとそうやって歌ってきました。ほんとに、ここに来て彼の素晴らしい新曲を聴けるとは思いませんでした。感謝しかありません。